2013年11月21日木曜日

太陽近傍を通過するアイソン彗星を見よう

アイソン彗星が太陽に近づき、明るさを増しています。
11月29日には太陽にもっとも近づき(近日点)、その距離が太陽の表面からたった117万kmを通過します。太陽の半径が約70万Kmなので、本当に太陽ぎりぎりを、それも100万度もあるコロナの層を通過することになります。アイソン彗星が無事通過して大彗星になるのか、それとも太陽の熱で崩壊し消え去るのか、運命の分かれ目です。

そんなアイソン彗星ですが、太陽に近すぎて直接望遠鏡で観測することは不可能です。しかし、SOHO衛星という太陽を観測する衛星を使うと太陽近傍を通過するアイソン彗星を見ることができます。

SOHO衛星とは・・・
SOHO(Solar and Heliospheric Observatory)衛星は、欧州宇宙機関とアメリカ航空宇宙局が打ち上げた太陽を主に観測する衛星。太陽と地球の間のラグランジュポイント付近で24時間太陽の観測を行っている。今までもこの観測画像の中に近日点を迎えた彗星が多く写っており、特にこの衛星を使って発見されたものをSOHO彗星と言われている。

NASAのサイトには、すでにSOHO衛星を使ったアイソン彗星の特集ページがあります。これによると、28日あたりからアイソン彗星が視野内に入ってきそうです。

NASA/SOHOサイトより

太陽観測衛星SOHOLASCO C3カメラがもっとも広い視野で、アイソン彗星が早くから現れます。

では、実際にどのように見えるか星図ソフトで調べました。
近日点前後はものすごいスピードで彗星が通り過ぎ、尾も一旦切れるなどの現象起こりそうです。彗星にも力が働き(潮汐力)、もしかすると核が分裂するかもしれません。(ただし、NASAの画像を見ると、もっとも接近した時はLASCO C3カメラの遮光円盤にかかりコマの部分は見えないようです)
とにかく、28日の夜から29日朝までは、SOHO衛星の画像に注目です!無事通過できるよう、アイソン彗星を応援しましょう!


追記
太陽観測衛星STEREOでは、すでにアイソン彗星が観測領域に入っているそうです。STEREO衛星は太陽の周りを回る衛星なので、また別の角度からアイソン彗星の画像を得ることが出来ます。これもまた、楽しみですね。

参考